News 2012.12.09
少し時間が経ってしまいましたが、インカレが終了しました。
女子は大阪体育大学、男子は東海大学の優勝となりました。
女子の決勝は見ることができなかったので、後ほどJ –SPORTSの放送を録画で見るとします。
そして、男子の決勝。
前評判では青山学院大学!
注目は3番ポジションの日本代表対決。比江島慎vs田中大貴!
しかし、
終わってみれば終始、東海大学のペースでした。
前日の準決勝。圧倒的な強さで明治大学を一蹴した青山学院大学。
三連覇、そして今季の三冠に向け死角はないように見えましたが、この準決勝での圧倒的な強さこそ死角でした。
青学大対東海大、いつも序盤に主導権を握るのは東海なんです。
しかし、東海大はそこで離しきれない、青学大は何とか付いていく。そして中盤から、ゾーンディフェンスだったり、激しいディフェンスやリバウンドからの青学大らしいファーストブレイクだったり、「比江島タイム」だったり、そしてそれを支える屈強な脚力とスタミナ、相手にじわじわとダメージを与え続けてきたフィジカルの強さ、それらがいわゆる「青学タイム」を生み出し、最終的には青学大が勝利というのがいつものパターン。
この強さこそが青学大の死角。試合後の記者会見で長谷川監督が「選手たちに、最終的にどうにかなるだろうという考えがあった」と語ったそうですが、これまでの強さからくるこの心の隙。青学大の死角はここであり、東海が付け入るところはまさにここでした。
これまで劣勢の展開の経験が乏しい青山学院大学。
こういった展開でチームを落ち着かせるのは?まとめるのは?コート上でリーダーシップを発揮するのは?
主将の山崎はベンチ。コート上での最上級生は比江島慎、ただ一人。比江島はプレイで引っ張るタイプの選手。昨年の決勝のように、これまでも何度も劣勢の段階で「比江島タイム」を起こし、チームを救ってきましたが、この日は田中大貴の厳しいディフェンスにより思うようにプレイさせてもらえません。こういったシチュエーションでコート上でリーダーシップをとるのは、ガードの小林、畠山もいますが、やはり最上級生として比江島になんとかしてほしかった。しかし、今まで比江島は「そんなことをする必要がない」くらい無敵だったのです。
そして、対する東海。
大会がはじまった時のこちらのコラムで東海は下級生のチームと書きました。確かに主力のほとんどは下級生です。しかしリーグ戦終盤ではベンチスタートであったものの、このインカレではスタートに復帰、唯一の4年生・狩野祐介。
狩野の持ち味は得意のスリーポイントシュート、東海らしいディフェンスももちろんですが、常に大きな声でチームを鼓舞し、まとめるリーダーシップ。
序盤から東海の流れだったとはいえ、青学大もくらいついてきますし、東海大は一瞬たりとも気の抜けない状態。一つのミスから青学大が一気に青学大が巻き返すことも十分考えられました。また、東海大が「勝った」、「いける」といった心の隙をみせれば、逆に青学大がその隙に付け込んだでしょう。
そんな東海大を引き締め引っ張っていったのはまぎれもなく狩野祐介。
この大舞台。青学大になかったもの。それを東海大、狩野祐介は持ち合わせていました。
先に述べたように比江島vs田中のマッチアップが注目されていましたが、チームを引っ張るという立場では比江島vs狩野。ここで完全に狩野に軍配が上がったわけです。
そう、やはり最上級生4年生の存在感がチームの勝敗を分ける。学生スポーツはそうなんです。東海がコケそうなんて予想してすいませんでしたw 狩野選手をみくびっていましたね。
この狩野はご存知の通り、高校時代からインターハイ決勝で自ら大事な場面でフリースローを外すなど、もっぱら大舞台での勝ちに縁がなく、常に準優勝。常に二番。常に一番は比江島慎。学生時代最後の最後にようやく、やっと一番になれた狩野選手。おめでとう!
写真は試合前に配布された東海大の東海スポーツ編集部の学生の皆さんが作成した東海大バスケットボール部特集号の表紙。
やっぱりこのチームは狩野のチームだったんです!
By C-RAY